ココロにツバサ属

日々感じたことを とりとめもなく

諦めない力

今日はお庭仕事で今年一年の間にお世話になったお客様へ門松をお届けする日。

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いつもは私の車に載せてお届けに上るのですが、今年は数が増えたこともあり、会社のバンに乗り換えてお届けすることにしました。

会社に行くついでがあるからと、朝一番に夫が私の車に乗って行き、バンに乗り換えてきてくれました。

 

気付けばこれが不幸の始まり。

バンは広くて十分に載せられて隙間が出来るくらいのスペースがありました。載せ換えようにも私の車はありません。不安ながらも緩衝材になる箱を互い違いに入れて、これで大丈夫かと、ソロリソロリと走り出しました🚚

 

一抹の嫌〜な予感を胸に抱きながら、途中でガシャガシャと鈍い音を耳にしながら、何度も車を止めては確認。ドキドキドキ。

そして一番山場だろう急坂に差し掛かり、ついにはバタン、ガシャンという音…

 

これは完全に逝ってしまったかと慌ててハッチを開けたら中から鉢が転げて落ちて来て、私の目の前で音を立てて破損。動きはスローモーションで見えるのに、止められないっていう。きっと誰しも一度は経験のある、あの感じ。

 

でも。目の前で割れたのは、下見に行って、仕入れに行って、家で丁寧に組み立てた、3日がかりでこしらえた鉢。思わず震えるくらいの大失態。つくづく自分の馬鹿さ加減を呪いながら。一瞬で悲しみに暮れたけど、いやいや、そんな場合じゃない(笑)

 

心は半泣きどころでなく大泣きだったけど、お客様に午前中に届けることを約束していたので、途方に暮れるのは努力した後の話で。とにかく気持ちを切り替えて、無事だった鉢を1件目のお家にお届け。

 

午前中の約束の2件目が破損した鉢。何処かで運良く鉢を調達出来たとしても、家に帰って組み直し、そこからお届けに上るには、どう頑張ってもタイムオーバーするだろう。さて、どうするどうする…

 

もう半ば無の境地で車を走らせていたら、目に飛び込んできた町の花屋さん。車をとめて中を拝見。御誂え向きの器がある。ただし、1つ。

 

年末の書き入れ時の忙しい中、思い切って尋ねてみた。「すみません…」

 

奥から出て来たおじいちゃんが、親身になって相談に乗ってくださった。鉢を格安で譲って下さった上に、倉庫の奥から対になる鉢を探し出して来て下さった。その上この場で組み直してお行きなさいと場所と資材の提供までして下さった。当然ながらそこまで甘える気持ちは無かった。

 

けれども落ち着いてよく考えてみると、渡りに舟とはこのことだと思った。どう考えても、そうさせてもらえると、有難い。意地を張ってる場合でも礼節を重んじている場合でもない。素直にその言葉に従った。

 

店が忙しくなけりゃ手伝うんだけど…と、まだ申し訳なさそうに言ってくださるおじいちゃんは、まるで菩薩様のような人でした。

お店にはそのお人柄を写したかのように、ひっきりなしにお客様がいらしていました。

 

おかげさまで、何とか午前中のお届けに奇跡的に間に合うことが出来ました。

 

今日のことから、反省すること学ぶことがたくさんあるのは言わずもがなですが、何より仕事を遂行することが出来たのは、もうダメだと投げ出さなかったこと、諦めなかった気持ちが大きかったのではないかと思います。

 

申し訳ないですが…と、お客様に御断りすることも選択肢にはあったわけですが、それは最終に残し、ギリギリまでどうにかしてみる。そんな気持ちがなければ、菩薩様にお会い出来ることもなかったはずでした。

 今日はまた大切なことを学ぶ日になりました。

 

さあて、掃除しよ

 

追記 :

犯していたもう一つの大失態に気がつく。ありがたいやら申し訳ないやら。

穴があったら入りたい 🕳